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no.366 協会健保と国保はトレードオフではない






2009年10月5日号 (no. 366)
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本日のテーマ【協会健保と国保はトレードオフではない】
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■国保に入っているから、社会保険には入らない?


ご存知のように、パートタイムとして勤務していても、条件を満たすと、社会保険に加入しますよね。


では、すでに国民健康保険(以下、国保)に加入しているパートタイム社員さんの場合はどうするのでしょうか。

つまり、入社以前に、個人で国保に加入しており、あらためて協会健保(以下、健保)に加入しなくとも、特に支障は無いような状況です。


国保と健保に二重で加入するのか、国保のままになるのか、それとも国保から健保に切り替わるのか、どれになるのでしょうか。





■国保は国保。健保は健保。


結論を言えば、国保から健保に切り替わります。

会社に勤めていて、社会保険の加入条件にあてはまると、国保よりも健保が優先されますし、国民年金(国民年金に単独で加入)よりも厚生年金(実質は、国民年金+厚生年金)が優先されます。


確かに、国保と健保では給付内容に違いはほとんどありませんから、そのままでも良さそうなものです。

しかし、国保に加入しているからといって、健保から排除されるわけではないのです。

国保には会社員が加入することは想定していませんし、会社員には会社員のメニューとして健保があるわけです。

もし、「国保に加入しているから健保には入らないで良いのでしょう?」と社会保険事務所の人に言ったとしても、「ダメです」と言われるでしょうね。


会社と会社員には健保が割り当てられているので、国保ではなく、こちらのメニューを利用せよということなのでしょう。







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no.365 休暇を無期限にわたって繰り越し




2009年10月4日号 (no. 365)
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本日のテーマ【休暇を無期限にわたって繰り越し】
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■時効がなくなって、いつまでも利用できる休暇に。


有給休暇には2年の時効がありますが、この時効を延長したり、ときには時効を設定しないという会社もたまにあるようです。

例えば、2年を2年6ヶ月にしたり、3年にしたり、もしくは時効そのものを設定しないというルールにしてしまうわけです。



たしかに、時効というのは、短縮するのはダメですが、延長することは特に支障はありません(労働基準法に限定して)。

なぜならば、時効に達すると権利が失効するところを、時効を延長したり無しにしたりすれば、権利が失効しにくくなったり、失効しなくなったりするので、それが労働者にとって有利になるからです。


ただ、時効を延長することは有り得たとしても、「無期限」にまでする意図は何なのかが知りたいところですよね。

社員さんにとって良いことだから期限をなくしたのか。

期限だけを無期限にして、実際には、いつまでも休暇を取得できないという状態を作ろうとしているのか。

休暇を使いにくい環境で、休暇が時効になると不満が出るが、たとえ休暇を使えなくてもずっと有効にしておけば不満もでないだろうと考えているのか。

それとも、時効で消滅してしまうのは社員さんが困るから、無期限に有効としたのか。


いろいろと意図を想像してしまいますよね。


時効の延長や期限無しが、本当に「社員にとって有利になるので問題ない」と言い切れるのかどうかが疑問なのですね。






■有利になるか不利になるかは分からない。


休暇の時効を延長したり、時効を無期限にしたりするときには、その「意図」が何なのかを知らねばなりません。

先ほどのように想像すると、時効の延長や無期限化には、「良い意図」と「良くない意図」があります。


考え方によっては、社員さんにとって嬉しい仕組みになるのでしょうが、別の考え方をすると、社員さんにとっては嬉しくない仕組みにも思えたりします。

休暇を取得しにくい会社で、時効の延長や無期限化を実施したとなると、おそらく良くない意図があるのではないかと私は考えます。

普通に休暇を消化できている会社ならば、時効の延長や無期限化など考える必要もないのですから、このようなコトを考えているとなると、何か事情があると考えざるを得ません。


確かに、時効を延ばすということや期限を無しにするということ自体は悪くはないのですが、なぜ延ばしたり期限を無しにしたりする必要があるのかを考えると、やはり変な意図があるのではないかと思ってしますのですね。

「どうして、わざわざ会社が不利になるような仕組みを会社自身で採用するのか?」
こう考えると、やっぱり変だと感じるはずです。


有給休暇の時効を延ばすことが、必ずしも社員さんにとって有利になるとは限らないことは知っておきたいですね。




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no.364 助成金と有給休暇が競合する





2009年10月3日号 (no. 364)
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本日のテーマ【助成金と有給休暇が競合する】
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■休暇か休業か。


今年の始め頃から、いわゆる雇調金や中安金と呼ばれる助成金がよく利用されていますね。

ご存知の方も多いでしょうが、この助成金は、会社都合で休業した場合に支給する休業手当をフォローするための制度です。

その制度を利用する会社の中には、休業すれば休業手当が支給されるといえども、100%支給の休業手当を除き、少なからず給与が減るので、有給休暇で休みたいと望む社員さんがいらっしゃいます。つまり、休業手当よりも有給休暇の方が給与の減りが少ないので、有給休暇を優先的に使いたいという要望ですね。


ただ、その一方で、「休むなら助成金を使って休んで欲しい(つまり休業扱いで休むということ)」と要望する会社があります。つまり、有給休暇を使ってもらうよりも、休業手当を支給して助成金のフォローを受ける方がキャッシュアウトが少ないので、「休むなら有給休暇ではなく休業で」と望むわけです。


ここで問題になるのが、「有給休暇を使いたいという社員さんの要望」と「有給休暇ではなく休業で休んでほしいという会社の要望」の衝突です。

この両者をどのように調整するかが今回のポイントです。






■あえて有給休暇にしなくても。


有給休暇と休業のどちらを優先させるかについては客観的な決まりはありません。

休業が絡むのではなく、有給休暇だけを単独で利用する場面ならば対応は分かりやすいのですが、休業と有給休暇が競合するとなると解決に工夫が必要ですね。


まず、有給休暇は"原則として"自由に使えるですから、たとえ休業を割り当てることができる日であっても、休暇を取得することはできます(ただし、休暇の日は助成金の対象にはならない)。

ただ、休業を使う方が会社にとって都合が良いと判断できるならば、「時季変更権」を利用して休暇ではなく休業を優先させることもできるでしょう。

休業として扱われると、有給休暇の場合と比べると報酬の取り分は減るのもしませんが、あながち不利とは言いにくいですよね。

会社が休みになって仕事をしていないのに、休業手当という名目で報酬が支払われるのですから、そう強く反対するものでもなさそうです。


ただ、どうしても休業ではなく有給休暇として扱ってほしいという要望があるならば、100%の支給率で休業手当を支給してしまうのもアリです。

支給率を上げれば、上限はあれども助成金の支給額も増えますので、会社にとっても不都合ではないのではないかと思います。







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no.363 所定労働時間で勤務するならば、変形労働時間制度はいらないはず





2009年10月2日号 (no. 363)
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本日のテーマ【所定労働時間で勤務するならば、変形労働時間制度はいらないはず】
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■毎日決まった時間で勤務しているのに、なぜか変形労働時間制度を使う会社。


変形労働時間制度とは、1日8時間、1週40時間という枠を変形させて、1日8時間を超えて、また、1週40時間を超えて勤務することを可能にする制度ですね。つまり、1日9時間として勤務時間を事前に予定していれば、1日9時間までは法定内の勤務として扱えるわけです。

ところが、1日の所定労働時間が8時間と決まっている会社で、時間外勤務が若干発生するとして、だいたい8時間少々で勤務を終えている会社で変形労働時間制度を採用しているところがあります。

法定労働時間の枠を変動させる必要もなさそうな環境なのに、なぜか変形労働時間制度を採用していたりします。


ほぼ定時で仕事が終われる環境ならば、変形労働時間の仕組みは必要ありません。


面白いことに、1日8時間の枠を守りながら変形労働時間制度を採用している会社もあります。

法定労働時間の枠を変形させるのが変形労働時間制度の旨味なのに、1日8時間の枠を守るのでしたら、何故に制度を採用しているのか意味が分かりません。

1日8時間の枠を守れるのでしたら、原則通りの時間管理で足りるはずです。






■法定労働時間の枠を変形させたいときに使うのが変形労働時間制度。


変形労働時間制度というのは、本来、時間外手当を節約する目的で使うような仕組みではなく、特定の日や特定の週によっては勤務時間が変動してしまうような仕事を行っているときに使う仕組みなのですね。

例えば、第2週は時間外勤務が多くなりそうで、第3週は残業なしで働けるだろう、というような見通しができる環境ならば、変形労働時間制度を採用する利点があります。

しかし、特に日や週で勤務時間が変動するようなこともなく、「毎日、毎週、勤務時間は特に変わりなく勤務していますよ」という環境でしたら、変形労働時間制度は必要ないです。


ゆえに、毎日、毎週、時間に変わりなく勤務する環境ならば、とりたてて変形労働時間制度を採用する利点もないのです。例えば、1日8時間(ここに時間外勤務が若干加わると仮定)で勤務し続けているような環境ならば、変形労働時間制度は必要ないです。

時間外手当を減らそうという目的で変形労働時間制度を使うこともあるようですが、毎日8時間を超えて勤務しているならば、固定的な勤務時間だけで法定労働時間の総枠は埋まってしまうでしょうから、時間外部分を変形労働時間で逃がすこともほとんどできないはずです。


今日は8時間、明日は5時間、明後日は7時間というように変動したり、第1週は38時間、第2週は46時間、第3週は41時間というように変動したりする環境でないと変形労働時間制度の旨味を引き出せないはずです。

大雑把に言えば、「こっちで減らしたから、あっちでは増やそう」という仕組みですね。


ましてや時間外手当を減らす目的で変形労働時間制度を使っても、ほとんど効果は期待できないです。







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no.362 インフルエンザのために"出勤停止期間"を設定したときは休業か欠勤か





2009年10月1日号 (no. 362)
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本日のテーマ【インフルエンザのために"出勤停止期間"を設定したときは休業か欠勤か】
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■出勤停止期間は欠勤なのか休業なのか。


インフルエンザが流行っており、会社でも色々と対策を立てているようです。

そんな中、会社によっては、インフルエンザに罹患していると判断した段階で、一定の出勤停止期間を設定するところがあります。

つまり、罹患している、感染している、感染している可能性がある、などの判断ができた段階で、一定の期間を設定して出勤停止にするということです。


ただ、出勤停止とはいえ、実際に発症していないならば働くことは可能なはずです。

また、出勤停止期間中であっても、回復してしまえば働くことが可能なはず。


発症している時期に出勤停止するのは確かに納得できるのでしょうが、発症前の段階と回復後の段階まで出勤停止にしてしまうと、単に出勤停止とはいかなくなるのではないかと考えてしまいますよね。






■発症しているなら欠勤だが、発症していない状態だと休業になる。


予防的に休ませているならば休業ですし、すでに発症している段階で休ませると病欠と判断するのでしょうから、発症前の段階と回復後の段階まで出勤停止期間に含めてしまうと、その期間は休業にしなければいけなくなります。

そのため、あえて一定の出勤停止期間を設ける必要もなさそうな気もします。


なぜならば、潜伏段階でインフルエンザを発見することは難しいでしょうから(発症してない健康な状態で検査には行かないはず)、実際に発症してから休んでもらえれば休業か欠勤かを考える場面にもなりません。発症後に休むと休業ではなく病欠になりますよね。

インフルエンザを実際に発症してから、会社から「しばらく休んで下さい」と指示を受けても、これは休業ではないです。風邪の場合と同じですね。

その後、回復すればそのまま出勤すれば良いですから、出勤停止期間をあえて設けなくても良いのではないでしょうか。


出勤停止期間を設けてしまうと、どうしても病欠部分と休業部分を分けなくてはいけなくなります。必要以上に休みを設定してしまうと、それは休業になってしまいますからね。発症している期間だけを休ませるならば病欠で良いのでしょうけれども(どの時点で発症か、どの時点で回復かを判定するのもまた難しい)。

もちろん、出勤停止期間をすべて休業扱いにするならば、このような分離は必要ないです。


ただ、休業だけでなく病欠となる日も加えたいと考える場合は、一定の出勤停止期間を設けてしまうと取り扱いに困るかもしれません。


「インフルエンザだから何かしなきゃ」と考えると、変な方向に向かってしまうのではないかと思うのです。







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no.361 任意継続健康保険の手続きでバタバタする





2009年9月30日号 (no. 361)
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本日のテーマ【任意継続健康保険の手続きでバタバタする】
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■"期日までに"加入して、"期日までに"保険料を支払うのがルールだが、、、


会社を退職すると、任意継続で協会健保に加入するか、もしくは、国民健康保険に加入するかを選ぶ場面に遭遇しますね。

もし、任意継続で健保に加入するときは、期日までに手続きをして、期日までに保険料を納付する必要があります。

ただ、「初回の加入手続き」や「初回の保険料の納付」の期日が意外とtightで、中には期日までに完了できない方もいらっしゃいます。


任意継続健保のルールでは、期日までに手続きを完了しないと任意継続被保険者になれないとされていますし、また、期日までに保険料を納付しないと任意継続被保険者の資格を喪失するとされています。


ならば、上記のような人達は、被保険者になれなかったり、被保険者の資格を喪失したりするのでしょうか。ルール上はそのようになりそうですが、、、。





■加入段階と初回保険料の支払いがミソ。


確かに、期日までに任意継続の手続きをしなければ任意継続被保険者になれませんし、期日までに任意継続健保の保険料を払わないと資格を喪失します。

しかし、やむを得ない理由があると、期日後であっても手続ができている人もいます。


例えば、書類の記入不備で退職後20日以内に手続きが完了しなかったとか、前の会社による旧健保の資格喪失手続きが遅かったために手続きが期日以内に完了しなかったとか、やむを得ない都合で長期間留守にしていたというようなマトモな理由があると、期日を超えて手続きを進めてくれることもあるのですね。

ただ、期日を延ばしてくれるという期待を持って取り組むと、手のひらを返される可能性もありますので、期待してはいけません。

「延ばしてくれるのだから、遅れてもいいや」と思っていると、手続きできなくなるかもしれませんから、注意が必要です。


あと、初回の保険料でも同様です。

今までは給与から社会保険料を天引きされていたので、自分で保険料の管理をする必要がなかったために、任意継続被保険者になって初めての保険料を支払うのが遅れてしまったりする人もいらっしゃるのですね。

こうなると、任意継続の資格は喪失という流れになりそうですが、ここでも喪失とはならない人もいます。

加入時点の場合と同様に、"何らかの正当な理由"があると、期日に遅れたとしても資格喪失しないこともあります。

ただ、正当な理由かどうかについては、協会が判断するのでしょうから、ここでも「保険料の支払いを待ってくれる」と期待してはいけません。


ちなみに、公的な保険制度では、「国民皆保険」を目指しているのでしょうから、保険料の納付が多少遅れても認めているのではないかと私は思います。





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no.360 時間外勤務手当と深夜勤務手当は連動しない。




2009年9月29日号 (no. 360)
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本日のテーマ【時間外勤務手当と深夜勤務手当は連動しない】
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■8時間以内だから、深夜勤務にはならない?


時間外勤務と深夜勤務が発生する職場だと、時間外勤務だけを行うだけでなく、時間外勤務と深夜勤務が重なることもあったりします。もちろん、時間外勤務はなく、深夜勤務だけということもありますね。

そこで、22時以降は深夜時間なのですが、22時を超えていても1日の勤務時間が8時間に達していないのだから、深夜手当は必要ないのではないかと考える方がいます。


例えば、20時から翌日の2時まで勤務するとし、休憩時間は1時間とします。この場合の勤務時間は、休憩時間を除いて、5時間になりますね。

ここで、1日8時間を超えていないのだから深夜手当は必要ないのではないかと考えるようです。

本当でしょうか。






■それぞれ別で扱う。


上記の例では、確かに1日8時間を超えていませんから、「時間外手当」は必要ないです。

しかし、深夜勤務手当というのは、時間外手当とは別で扱うものですから、時間外手当を支給する場面かどうかについては考慮しません。

そのため、1日8時間を超えていないとしても、深夜勤務に対する手当は別で必要なのですね。


「1日8時間(1週40時間もしくは44時間)」というのは、時間外勤務についての基準です。

一方、深夜勤務というのは、22時以降から翌日の5時までの勤務のことですので、勤務時間の長さは関係しないのです。この時間帯に勤務していれば全て深夜勤務になりますので、手当も同時に必要なのですね。


ゆえに、「時間外手当の取り扱い」と「深夜勤務手当の取り扱い」は連動しないのです。






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no.359 有給休暇は"過去の"実績で付与の内容を決める






2009年9月28日号 (no. 359)
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本日のテーマ【有給休暇は"過去の"実績で付与の内容を決める】
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■もうすぐ退職だから、契約終了だから、有給休暇はないというわけにはいかない。


「今月に有給休暇が付与されるけれども、来月には退職するから休暇はなし(もしくは日数を減らす)」

「今月に有給休暇が付与されるけれども、来月には雇用契約が終了するから休暇はなし(もしくは日数を減らす)」


退職や契約終了の場面になると、上記のような考えを抱く方がいらっしゃいますね。


退職することが確定しているから、とか、雇用契約が終了することが確定しているからという理由で、休暇の内容を調整しようという目的のようです。

確かに、辞めることが確定しているとなると、休暇の付与について調整したいと思うのが普通なのもしれません。

ただ、将来の雇用内容を前提に、休暇の内容を決めることは可能なのでしょうか。





■将来を考慮してはいけない。



通常、勤続年数や出勤率で休暇は付与されるのですが、この2つの数字はいずれも過去の数字です。

つまり、"過去の"数字に基づいて休暇の内容は決まるのですね。

となると、"将来的に"退職するとか、雇用契約の期間が満了になるという理由で休暇の内容を決めるわけにはいかないですよね。つまり、未来の要素に基づいて休暇の内容が決まるわけではないということ。


ゆえに、休暇が付与された後に退職する(もしくは、雇用契約が満了する)ことが確定していても、その点については考慮してはいけません。

もうすぐ退職するのだから休暇はなしとか、もしくは休暇を減らすというのはダメです。


この問題は、契約社員の雇用契約でよく扱われています。

つまり、契約が終了することが確定している状況で、休暇を与えるべきかどうかと悩むようです。

しかし、悩むことはあれども、有給休暇を付与するかどうかの場面では、「過去を考慮するのであって、未来は考慮しない」というルールを守らなければいけませんね。






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no.358 労働基準法67条はちょっと変です




2009年9月27日号 (no. 358)
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本日のテーマ【労働基準法67条はちょっと変です】
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■義務だけれども、実現できる義務なのか。


労働基準法の第67条には、
「生後満1年に達しない生児を育てる女性は、第34条の休憩時間のほか、1日2回各々少なくとも30分、その生児を育てるための時間を請求することができる」

と書かれています。

つまり、通常の休憩時間とは別に、育児専用の時間を利用することができるという内容ですね。


ただ、「1回30分、1日2回」という設定を考えると、何か違和感を感じないでしょうか。

30分で育児を行うことが本当にできるのでしょうか。


想像して下さい、仕事場で30分の育児時間を貰ったとして、一体何ができるのでしょう。


育児時間を利用したい人のすぐそばに育児の対象となる子どもがいるのでしょうか。

その人は仕事場に子どもを連れてきているのでしょうか。

それとも、社内託児所のような施設があるのでしょうか。

変な感じがしませんか。





■近くに子どもがいる状態で仕事をしているとは限らない。


端的に指摘すると、育児時間は会社に社内託児所が無ければ使いにくいのではないか、と私は思うのです。


たとえ1回30分の育児時間を貰っても、社内託児所のように、すぐ近くに子どもがいなければせっかくの時間も活用できませんよね。

確かに、育児時間の設定は労働基準法で「義務」にはなっていますが、そもそもとして使えないのではどうしようもありません。与えても使いようがないわけです。

つまり、職場のすぐ近くに子どもがいるという前提で、この制度は設計されてしまっているのですね。これは制度の欠陥ではないでしょうか。

時間を与えるという発想は良いが、与え方が上手ではないのですね。

義務と言われても、実現できないのでは会社も義務を果たせませんからね。

子どもに会えない状況で、「さあ育児時間ですよ」と言われても、本人はポカーンとするしかありません。子どもと電話でお話しするぐらいでしたらできるのでしょうが、それでは育児とは言えませんよね。


となると、労働基準法67条は、社内託児所の施設がある会社では有効に機能するかもしれないが、そのような施設がない会社では十分に機能しないかもしれないわけです。


そこで、会社で育児時間を用意できる用意があるならば、勤務時間を短縮することで代替することも考えてはいかがでしょうか。

育児時間を活用できないならば、他の手段でフォローをかけるのですね。

例えば、2回で60分の育児時間の分だけ、勤務時間を短縮してしまうのも手ではないかと思うのです。






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no.357 不利益変更になるかならないかの判定






2009年9月26日号 (no. 357)
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本日のテーマ【不利益変更になるかならないかの判定】
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■「変更=不利益」とは限らない


就業規則を変更するのは不利益変更、給与規定を変更するのは不利益変更、退職金規定を変更するのは不利益変更、、、などなど。

会社で、何らかのルールを変えようとすると、不利益変更と言われてしまいがちですよね。


ただ、不利益かどうかの判断というのは意外と難しかったりします。

確実に不利益だと判断できるような変更もあるのでしょうが、中には、不利益っぽいけれども微妙だな、と思えるような場面にも遭遇します。


「変更=不利益」ではないことは確かですが、判断基準に迷うのですね。






■不利益になる"可能性"程度ならば、不利益変更にならないこともある。


私は、

確実に不利益になるような変更だと、不利益変更。
不利益になるかどうかは分からないような変更だと、不利益変更ではない。

と判断しています。


例えば、基本給を減らす、手当を廃止する、休日を減らすためのルール変更ならば、これは不利益変更です。

つまり、必ず不利益になることが確実ならば、不利益変更と判断しているわけですね。


一方、不利益になるかならないか分からない、不利益になるかもしれないが利益になるかもしれないというルール変更ならば、不利益変更と判断しないようにしています(ただ、「必ず」というわけではない)。


例えば、

雇用契約を更新する際に、雇用期間の定めがない契約から、定めのない契約への変更。
固定給と成果給の割合を変更するとか。
手当の計算方法を変えるとか。

これらの場合だと、不利益変更にならないこともあるのですね。

つまり、不利益になる可能性があるかもしれないが、不利益にらない可能性も同時にあると、不利益変更にならないと判断することもあるのです。

結果が不確定だと、一概に不利益だとは言えないのですね。


ただ、上記に挙げた内容であっても、必ず不利益にならないとは断言できません。

判断する人(裁判官)によっては、不利益だと判断する人もいるかもしれませんね。


「不利益になるかどうかは不確定である」という点を強調すれば、不利益と判断されにくくなるでしょうし、「不利益になる確率が高い」という点を強調すれば、不利益と判断されるかもしれません。


このように最終結果までは確定できていませんが、「不利益になることが確実かそうではないか」という点は、不利益変更かどうかを判断する際には使えるポイントではあります。






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